雨はただ濡れるだけのものではありません。日本において雨は、四季を象徴する美しい自然現象として、多彩な言葉で表現されてきました。これらの表現は、単に天候を伝えるだけではなく、季節の変化や情感を感じさせる「雨の季語」です。ここでは、早春の「雨水」から「時雨」まで、季節ごとの雨を描写する美しい日本語を紹介します。これらの言葉を通じて、雨の持つ豊かな意味や、日本の雨文化の深さを感じ取ってください。
雨を表す美しい言葉一覧
春の雨
- 雨水【うすい】
二十四節気の一つで、2月19日頃を指し、初春の始まりを告げる期間です。 - 穀雨【こくう】
4月20日頃にあたる二十四節気の一つで、作物の生育を促す春雨の季節を意味します。 - 雨鷽 (あまうそ)
雌のウソの俗称。 - 雨一番 (あめいちばん)
北国で立春後に、春の初めに降る雪がまじらない雨。 - 軽雨 (けいう)
ほんの少し降る雨。小雨。 - 春霖雨 (しゅんりんう)
春の長雨。 - 花の雨 (はなのあめ)
桜の花に降りそそぐ雨。また、桜の咲くころの雨。 - 春雨 (はるさめ)
穏やかな春の雨。 - 春時雨 (はるしぐれ)
春のにわか雨。 - 春驟雨 (はるしゅうう)
春の急に降る雨。 - 春の雨 (はるのあめ)
春に降る雨の総称。 - 菜種梅雨 (なたねつゆ)
菜の花が咲く頃の長雨。
夏の雨
- 梅雨明け【つゆあけ】
梅雨の時期が終わり、晴れ間が戻ること。 - 夏の雨【なつのあめ】
夏季に突然降る短時間の雨。 - 五月雨【さみだれ】
旧暦5月頃に続く一連の降雨期。 - 梅雨【つゆ】
6月頃に見られる、継続的に降る雨やその時期。 - 喜雨【きう】
長期間の乾燥後に恵みとして降る雨。 - 白雨【はくう】
太陽の光を受けて白く見える雨。 - 慈雨【じう】
乾燥した大地を潤す、生命を育む雨や、久しぶりに降る恵みの雨。 - 雨乞い【あまごい】
長引く干ばつに対して雨を求めて行う、伝統的な儀式や呪術。 - 五月雨雲【さみだれぐも】
梅雨時に見られる、特有の雲形。 - 雨蛙【あまがえる】
雨を呼ぶとされる、鳴き声をあげるカエル。 - 雨を乞う(あめをこう)
雨を待ち望むこと。 - 卯の花腐し(うのはなくたし
卯の花の咲いているころに降りつづく長雨。 - 送り梅雨(おくりつゆ)
梅雨が明ける頃の最後の雨。 - 返り梅雨(かえりつゆ)
一度梅雨が明けた後、再び戻ってくる雨。 - 戻り梅雨(もどりつゆ)
梅雨明け後に一時的に戻る雨。 - 走り梅雨(はしりつゆ)
梅雨入り前の短期間の雨。 - 喜雨(きう)
作物にとって恵みの雨。 - 五月雨(さつきあめ)
旧暦五月の長雨。 - 慈雨(じう)
恵みの雨。 - 梅雨(つゆ)
初夏の長雨。 - 通り雨(とおりあめ)
短時間で通り過ぎる雨。 - 夏の雨(なつのあめ)
夏に降る雨。 - ながし(ながし)
長時間降り続く雨。 - にわか雨(にわかあめ)
急に降り出してすぐに止む雨。 - 白雨(はくう)
雷を伴う急な雨。 - 夕立(ゆうだち)
夕方に降る強い雨。 - よだち(よだち)
夕立の別称。
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