幸せを感じる瞬間は、人の心を温かくしてくれます。
日本語には「福」という字が含まれた、美しく、縁起の良い言葉がたくさん存在します。
それぞれの言葉には、願いや教え、文化的な背景が込められており、私たちの暮らしの中で大切にされてきました。
ここでは、「福」がつく言葉や表現を67種類ご紹介します。
しあわせを願う気持ちや、豊かさを象徴する言葉を通じて、心がほっとするような時間をお届けできたら幸いです。
福の付く美しい言葉一覧
- 栄福(えいふく) – 繁栄と幸せがともにある状態。栄えて幸福なこと。
- 狐福(きつねふく) – 思いがけず訪れるラッキーな出来事。偶然のしあわせ。
- 慶福(けいふく) – 喜ばしい祝い事にともなう幸福。祝福されたしあわせ。
- 景福(けいふく) – 目に見えるような大きな幸福。壮大で明るいしあわせ。
- 幸福(こうふく) – 心が満たされて、不満のない安らぎの状態。日々の喜び。
- 子福者(こぶくしゃ) – 子どもに恵まれて、家庭の中で幸せを感じている人。
- 至福(しふく) – これ以上ない極上のしあわせ。人生の頂点の幸福感。
- 修福(しゅふく) – 幸福を得るために善行を重ねること。未来の福を育てる行い。
- 宿福(しゅくふく) – 過去に積んだ徳によって得られる、運命的な幸せ。
- 祝福(しゅくふく) – 他人の幸せを喜び祈ること。温かな願いのこもったしあわせ。
- 招福(しょうふく) – 幸運を自分の元へ引き寄せること。運気アップの兆し。
- 寿福(じゅふく) – 長生きと幸福が合わさった、理想的な人生の形。
- 浄福(じょうふく) – 心の澄んだ純粋な幸福。けがれのないしあわせ。
- 清福(せいふく) – 精神的に満たされる清らかな幸せ。静かな充足感。
- 多福(たふく) – 多くの喜びに恵まれたこと。重なるしあわせ。
- 大福(だいふく) – 大きな福運。特に豊かさや強運を指す幸福。
- 大福長者(だいふくちょうじゃ) – 非常に裕福で幸運にも恵まれた人物。
- 天福(てんぷく) – 天から与えられたような尊い幸せ。天運の恵み。
- 天福日(てんぷくにち) – 天の助けがあるとされる吉日。幸せな出来事を始めるのに最適な日。
- 万福(ばんぷく) – 無数のしあわせ。あふれるような幸福感。
- 福因(ふくいん) – 幸せを生み出すきっかけや原因。良い行いの積み重ね。
- 福音(ふくいん) – 喜びや希望をもたらす知らせ。朗報。
- 福運(ふくうん) – 幸運に恵まれた運勢。ツキのある流れ。
- 福者(ふくしゃ) – 幸運に恵まれた人。富と徳を持つ人物。
- 福白髪(ふくしらが) – 幸福の兆しとして若いうちに現れる白髪。
- 福寿(ふくじゅ) – 幸せと長寿。健康と富の両方を兼ね備えた理想の人生。
- 福人(ふくじん) – 財産にも心にも余裕のある人物。福に包まれた人。
- 福神(ふくじん) – 幸運をもたらす神様。七福神などが代表例。
- 福祚(ふくそ) – 幸福と天命、特に天子の位に与えられる福。
- 福相(ふくそう) – 顔つきが福々しく、幸福に見える人相。
- 福沢(ふくたく) – 幸せと恵みを合わせ持った、豊かな暮らしや境遇。
- 福達磨(ふくだるま) – 幸運を招く縁起物。新年の願いを込めて飾られる張り子のだるま。
- 福茶(ふくちゃ) – 新年の無病息災を願って飲む縁起の良いお茶。黒豆や梅干しなどが入る。
- 福田(ふくでん) – 幸福の種をまく場所。善行を積むことで福を生むもととなる存在。
- 福徳(ふくとく) – 財産と精神的な幸せ、どちらも持ち合わせた豊かな状態。
- 福の神(ふくのかみ) – 幸運や金運を運んでくるとされる神様。家庭や商売の守り神として信仰される。
- 福福(ふくふく) – 豊かに栄えて、しあわせがあふれているさま。見ているだけで縁起がよい雰囲気。
- 福利(ふくり) – 幸せと利益の両方を得られる状態。生活の安定を意味することも。
- 福禄(ふくろく) – 幸福と俸禄(ほうろく)を併せ持つ、理想的な人生の形。
- 福沸かし(ふくわかし) – 元旦の朝に若水を沸かす行事。新年の福を呼び込む儀式の一つ。
- 福分け(ふくわけ) – 幸せや贈り物を周りの人と分かち合うこと。おすそ分けの心。
- 福藁(ふくわら) – 新年の門口などに敷く新しいわら。清らかな福を呼び込むための習慣。
- 福(ふく) – 幸運やしあわせ全般を指す日本語の基本語。良いことが訪れる象徴。
- 福地の園(ふくちのその) – 福徳が満ちる理想郷。極楽浄土のような場所を意味する。
- 福禄寿(ふくろくじゅ) – 幸せ・財・長寿を備えた存在。七福神のひとつ。
- 福禄人(ふくろくじん) – 「福禄寿」と同義。福徳を持つ理想の人物像。
- 万福長者(まんぷくちょうじゃ) – しあわせも富も満ちた人物。非常に豊かな長者。
- 冥福(めいふく) – 亡くなった人の安らかな幸福。死後の世界でのしあわせを祈る気持ち。
- 有福(ゆうふく) – 恵まれた暮らしや状態。物質的にも精神的にも余裕のあるさま。
- 裕福(ゆうふく) – 財産が豊かで、安定した暮らしを送っている状態。
- 利福(りふく) – 利益と幸福の両方を得ること。実利と心の満足が共存する状態。
- 三福(さんぷく) – 仏教で説かれる3つの福。世間的な徳・戒律・他者への善行を意味する。
- 五福(ごふく) – 長寿・富・健康・徳を好む心・天命を全うする、という人生の五つの幸せ。
- 地蔵の十福(じぞうのじっぷく) – 地蔵信仰によって得られる十の恵み。安産や長寿など人生を守る幸福。
- 福天(ふくでん) – 日本の民間信仰において、福を授けるとされる神様のこと。恵比寿などが代表。
福の付くことわざ・四字熟語
- 福は内 鬼は外(ふくはうち おにはそと) – 節分の豆まきで唱える言葉。幸運を招き、悪運を追い払う祈りの声。
- 笑う門には福来たる(わらうかどにはふくきたる) – 笑顔の絶えない家には自然と幸福が訪れるという教訓。
- 福徳の三年目(ふくとくのさんねんめ) – 福徳のご利益はすぐには現れず、やがて報われるという意味のことわざ。
- 禍福倚伏(かふくいふく) – 幸福の中にも不幸の種があり、不幸の中にも幸せの芽があるという、運命の移ろいを示すことわざ。
- 禍福糾纆(かふくきゅうぼく) – 災いとしあわせは縄のように絡み合いながら訪れるもので、その変化は予測できないという意味。
- 禍福得喪(かふくとくそう) – 災難や幸福、成功や失敗といった人生の浮き沈みを広く表す言葉。
- 吉凶禍福(きっきょうかふく) – 良いことと悪いこと、めでたいことと不吉なことのすべて。人生の運勢の浮き沈み全体を指す。
- 国利民福(こくりみんぷく) – 国家にとっての利益と、国民にとっての幸福。政治や施策が国民にとって有益であることを理想とする言葉。
- 富貴福沢(ふうきふくたく) – 財産や地位に恵まれ、さらに幸福と恩恵にも包まれている状態。理想的な繁栄の姿。
- 福因福果(ふくいんふっか) – 仏教の教えで、良い行い(福の因)を積めば、やがて良い結果(福の果)を得るという因果の法則。
- 福善禍淫(ふくぜんかいん) – 善行を積めば幸せが訪れ、悪い行いをすれば災いが降りかかるという、道徳的な報いの考え方。
- 福徳円満(ふくとくえんまん) – 幸福と富の両方に恵まれ、心も暮らしも満ち足りている理想の状態。
「福」とは?|日本語における幸せの象徴
🌸 福の意味
「福(ふく)」とは、幸運・繁栄・喜び・豊かさを象徴する言葉で、日本語において最もポジティブで縁起の良い漢字のひとつです。
日常の会話からお正月の飾り、冠婚葬祭の挨拶文まで、幅広い場面で使われています。
📚 語源と漢字の由来
「福」という漢字は、
- 「示(しめすへん)」=神に祈る・祭る意味
- 「畐(フク)」=容器に中身が満ちていること(=満たされている)
から成り立っており、「神の恵みによって満ち足りている状態」を表しています。
つまり「福」は、神仏から授かるありがたい幸せを起源とする言葉なのです。
🎎 日本文化と「福」
日本では、古くから「福」を目に見えない運の象徴として捉えてきました。
- 「福の神」「七福神」など、福を授ける神様への信仰
- 「福笑い」や「福豆」など、正月の伝統行事との結びつき
- 「福は内、鬼は外」などの言霊(ことだま)文化
- 商売繁盛を願う「招き猫」や「だるま」に込められた願い
これらはすべて、「福」という言葉が持つ祈りと願いの文化を反映しています。
🌱 現代における「福」のとらえ方
現代では、「福」は単なるラッキーの象徴だけでなく、
- 心のゆとり
- 家族の健康
- 人とのつながり
といった、目に見えないけれど確かに感じられる豊かさを指すことも増えています。
✨「福」は、他者への思いやりや感謝の中にも自然と生まれるもの。
日々の言葉に「福」を感じることで、人生が少しやさしく、豊かに見えてくるかもしれません。
まとめ|「福」のある暮らしは、やさしい言葉から始まる
「福」とは、単に運がいいというだけではなく、日々の中にある小さな喜びや、誰かを思う気持ち、感謝の心の中にも宿っています。
今回ご紹介した「福」にまつわる日本語の言葉たちは、そんな見えない幸せをやさしく形にしてくれるものばかりです。
言葉には、心を動かす力があります。
ふと目にした一語が、落ち込んだ気持ちを和らげたり、前を向くきっかけになったりすることもあるでしょう。
暮らしの中にほんの少し、こうした「福」のある言葉を取り入れてみませんか?
あなたの毎日が、より穏やかで豊かになりますように。
Comment