日本語には、自然の美しさや季節の移ろいを感じさせる大和言葉が数多く存在します。その中でも『風』に関する言葉は、情景を豊かに描き出す力を持っています。本記事では、古語・和語・雅語から選りすぐった31種類の美しい「風」に関する言葉をご紹介します。語彙力を高めながら、日本語の美しさに触れてみましょう。
【大和言葉】『風』を表す美しい言葉 一覧
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春の美しい風の表現
- 木の芽風(このめかぜ)
- 春の芽吹きの頃に吹く風。
- 情景:春の訪れを告げる木の芽風が、若芽を揺らす。
- 春疾風(はるはやて)
- 激しい春の突風。
- 情景:春の嵐が吹き荒れ、花びらが舞い散る。
- 風光る(かぜひかる)
- 春の陽光が風に乗って輝く様子。
- 情景:春の日差しが風に乗ってキラキラと輝き、希望を感じさせる。
- 東風(こち)
- 春に吹く東からの風。
- 情景:春の訪れを告げる東風が、花の香りを運んでくる。
夏の美しい風の表現
- 青嵐(あおあらし)
- 初夏に吹く強い風。
- 情景:初夏の森で青嵐が木々を揺らし、爽やかな音を立てる。
- 南風(みなみ)
- 南から吹く風。4月ごろから8月ごろにかけて吹く夏の季節風。
- 情景:夏の日差しとともに南風が吹き、暑さを和らげる。
- 青田風(あおたかぜ)
- 初夏に吹く風。田んぼの青々とした苗が風に揺れる様子を表す。
- 情景:初夏の田んぼで、緑の苗が風に揺れ、心地よい涼しさを感じさせる。
- あいの風
- 北陸の日本海に面した地域で、春から夏にかけて吹く北東のさわやかな風。
- 情景:北陸の海岸で、あいの風が吹き、心地よい涼しさを運ぶ。
- 風薫る(かぜかおる)
- 新緑の季節に吹く爽やかな風。
- 情景:新緑の森の中で、風が薫り、心地よい香りが広がる。
- 涼風(すずかぜ)
- 夏の終わりに吹くさわやかな風。
- 情景:夏の暑さが和らぐ頃、涼風が吹き抜け、心地よい涼しさを感じる。
- 山背(やませ)
- 山を越えて吹く風。
- 情景:山を越えて吹く冷たい山背が、谷間に冷気を運ぶ。
秋の美しい風の表現
- 色無き風(いろなきかぜ)
- 花やかな色がない秋の風。
- 情景:秋の夕暮れ、色を失った風が吹き、季節の移ろいを静かに告げる。
- 神渡し(かみわたし)
- 陰暦10月の初めに吹く西風。出雲大社へ渡る神々を送る風。
- 情景:出雲大社へ向かう神々を運ぶ風が、静かに吹き抜ける。
- 凩(こがらし)
- 木の葉を散らす秋の末から冬の初めにかけて吹く強い風。
- 情景:晩秋の木々が凩に揺れ、枯れ葉が舞い落ちる。
- 芋嵐(いもあらし)
- 秋に芋掘りをする頃に吹く強い風。芋の葉に吹きつける強い風。
- 情景:秋の畑で、芋嵐が吹き、芋の葉を揺らす。
- 野分(のわき)
- 秋から冬にかけて吹く強い風。
- 情景:秋の終わりに野分が吹き、落ち葉が舞い上がる。
- 秋風が立つ(あきかぜがたつ)
- 秋風が吹く。愛情が薄れること。
- 情景:秋風が立ち、紅葉が散るように心の中の愛情も薄れていく。
- 雁渡し(かりわたし)
- 秋に吹く北風。
- 情景:秋の空を渡る雁を送るように、雁渡しが吹き抜ける。
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