世界には、数えきれないほどの神話生物や怪物が語り継がれてきました。
古代の神話、民間伝承、宗教、伝説、そして地域の昔話の中には、人々の想像力と恐れ、祈りや希望が形となった存在が登場します。
巨大な竜やフェニックスのような神獣、死者の霊やアンデッド、森や海に住む精霊、そして人の姿を持つ妖怪や神格。
それらは単なる空想ではなく、それぞれの文化や歴史、信仰と深く結びついて語り継がれてきました。
このページでは、神話生物などの伝承存在を集め、動物系・自然現象・宇宙・霊的存在など、さまざまな視点から分類しています。
ドラゴンやフェニックスのような有名な神話生物だけでなく、
例えば日本の土蜘蛛(Tsuchigumo)、北欧の巨狼フェンリル(Fenrir)、吸血怪物アズ(Adze)、世界蛇ヨルムンガンド(Jörmungandr)など、文化ごとに特徴的な存在も登場します。
神話の怪物を調べたいとき、創作の名前を探したいとき、あるいは神話の世界を深く知りたいとき。
この一覧が、未知の伝承存在へとつながる入り口になれば幸いです。
神話・伝説の怪物 一覧
※本記事の名称、説明文は創作やネーミングアイデア等のインスピレーション用です。詳しい意味や正確な発音については辞書等でご確認ください。
甲殻類・多足類
- カルキノス|Karkinos
ギリシア神話に登場する大蟹です。ヘラクレスがレルネーのヒュドラと戦った際に攻撃を加えましたが討たれ、その後は天に上げられてかに座になったと伝えられます。 - 大百足|Ōmukade
日本の伝承に登場する巨大なムカデの妖怪です。人を襲う恐ろしい怪物として語られますが、人間の唾が弱点とされる点でも知られています。 - ザラタン|Zaratan
アラビア語圏の伝承に見られる巨大な海の怪物です。名称は「蟹」に由来しますが、後世には巨大な海亀のように語られることもあり、島と見間違えられる怪物として知られています。
昆虫
- アゼ|Adze
ガーナやトーゴのエウェ系伝承に登場する吸血性の怪異です。火蛍のような姿で家の隙間から入り込み、人の血を吸う存在として恐れられています。 - アリスタイオス|Aristaeus
ギリシア神話の巨人の一人です。神々との戦いを生き延びたのち、母ガイアによってフンコロガシに変えられたと伝えられます。 - カグゲン|ǀKaggen
南部アフリカのサン人の神話に登場する創造神・トリックスターです。カマキリの姿で現れることが特に有名ですが、ほかの小動物の姿を取ることもあります。 - ケランボス|Cerambus
ギリシア神話に登場する人物で、傲慢さの罰として木を食う甲虫に変えられたとされます。長角甲虫を思わせる存在として語られることがあります。 - ガリニッパー|Gallinipper
アフリカ系アメリカ人の民間伝承に現れる巨大な蚊の怪物です。あまりにも大きく、その骨で柵を作れるという誇張表現で語られることがあります。 - 黄金を掘る蟻|Gold-digging Ant
古代ギリシア世界で語られた伝説的な蟻です。ヘロドトスの記述では、砂の中から金を掘り出す生き物としてインド方面などに住むとされました。 - イツパパロトル|Ītzpāpālōtl
アステカ神話の女神で、黒曜石の蝶の名でも知られます。骸骨めいた姿や蝶の翼を持つ、死と恐れに結びつく存在です。 - ケプリ|Khepri
古代エジプトの宗教における朝日の神です。スカラベ、すなわちフンコロガシの姿、あるいはその頭を持つ神として表され、太陽の再生や生成を象徴します。 - メリッサ|Melissa
ギリシア神話に登場する名で、蜂と深く結びつくニンフとして知られます。伝承によっては蜂へ変じた存在、あるいは蜂の名の由来となる存在として語られます。 - ミュルメクス|Myrmex
ギリシア神話の女性で、アテナの怒りを買って蟻に変えられたと伝えられます。盗みや思い上がりに結びつく変身譚として知られています。 - ミュルミドネス|Myrmidons
ギリシア神話に登場する戦士たちです。伝承によってはゼウスが蟻を人間へ変えて生み出した民とされ、蟻に由来する名を持ちます。 - ティトノス|Tithonus
ギリシア神話のトロイアの王子です。後世の伝承では、永遠の老いの果てにセミへ変じたと語られることがあります。 - モスマン|Mothman
アメリカの現代フォークロアに登場する翼ある怪異です。名前に「蛾」が入りますが、古典神話の神や妖怪というより、20世紀に広まった未確認生物伝承として扱うのが適切です。
蠍の存在
- ヘデテト|Hedetet
古代エジプトの蠍の女神です。蠍の頭を持ち、子を抱く姿で表されることがあり、のちにはイシスと習合したと考えられています。 - イシス|Isis
古代エジプトの大女神で、伝承や図像の一部では蠍と結びつけられます。蠍そのものの女神ではありませんが、蠍の守護的イメージを帯びる場合があります。 - パビルサグ|Pabilsag
メソポタミアの神です。もともとは戦いや裁きに関わる神格ですが、後代にはサソリの尾を備えた射手のような姿で表されることがあります。 - 蠍子精|Scorpion Demoness
中国古典小説『西遊記』に登場する蠍の妖怪です。巨大なサソリの本性を持ち、孫悟空や仏さえ苦しめる毒針の強さで知られます。 - スコルピオ|Scorpio
ギリシア神話でオリオンを死に至らせた大サソリです。後には星座のさそり座と結びつけられました。 - 蠍人間|Scorpion Man
メソポタミア神話に現れる半人半蠍の存在です。太陽神シャマシュの通路を守る門番のように描かれることでよく知られています。 - セルケト|Selket
古代エジプトの蠍の女神です。死者の保護、毒への守護、癒やしと結びつき、頭上に蠍を載せた女性として表されます。
蜘蛛

- アイアペク|Aiapæc
モチェ文化の神格として知られる存在です。表現のされ方には幅がありますが、蜘蛛の身体に人の顔やジャガーの牙を備えた姿で表されることがあります。 - アナンシ|Anansi
西アフリカに広く伝わる蜘蛛のトリックスターです。知恵や機転に優れ、人々に物語や知恵をもたらす存在として語られます。 - アラクネ|Arachne
ギリシア神話の機織りの名手です。アテナに挑んだ末、蜘蛛へ変えられたことでよく知られています。 - アレオプ=エナプ|Areop-Enap
ナウル神話の創造神で、「古き蜘蛛」とも説明されます。巨大な貝殻を用いて天地を形作ったという創世神話で知られます。 - クリスマス・スパイダー|Christmas Spider
ウクライナの民間伝承に語られる蜘蛛です。蜘蛛の巣がクリスマスツリーの飾りの起源になったとする幸運の伝説で知られます。 - ディジエン|Djieien
セネカ族の伝承に登場する巨大蜘蛛です。心臓を地中に隠していたため倒せなかったとされる怪物として語られます。 - イクトミ|Iktomi
ラコタ族の伝承に登場する蜘蛛のトリックスターです。人を惑わせる一方で、教訓をもたらす存在としても語られます。 - 絡新婦|Jorōgumo
日本の妖怪で、美しい女性に化ける蜘蛛として知られます。人を誘い込む妖艶さと蜘蛛の怪異性が重なった存在です。 - パランクス|Phalanx
ギリシア神話の異伝に登場する人物で、アラクネとともに蜘蛛へ変えられた存在として語られることがあります。 - スパイダー・グランドマザー|Spider Grandmother
北米先住民の諸伝承、とくに南西部の伝統で重要視される蜘蛛の祖母的存在です。知恵、助言、保護の象徴として現れます。 - 土蜘蛛|Tsuchigumo
日本の伝承に登場する巨大蜘蛛の妖怪です。中世以降の説話や絵巻で怪物化が進み、英雄退治譚と強く結びつきました。
神話・伝説の鳥

- アバービール|Ababil
イスラム伝承に登場する奇跡の鳥。『象の章』で、神の命によって軍勢を打ち破った鳥として知られます。 - アダルナ鳥|Adarna
フィリピン伝承の極彩色の神鳥。癒やしの力を持つ一方、その歌声で人を眠らせたり石化させたりすると語られます。 - アレリオン|Alerion
中世ヨーロッパの伝承や紋章で語られる神秘的な鳥。ワシに似た鳥として説明され、常に一対しか存在しないとされた伝承もあります。 - アリカント|Alicanto
チリの伝承に登場する光る羽を持つ鳥。金や銀を食べるとされ、鉱脈の在りかを暗示する存在として知られます。 - アンカ―|Anqa
アラビア・イスラム圏の伝承に現れる巨大で神秘的な鳥。しばしば非常に稀で、人知を超えた存在として語られます。 - アンズー|Anzû
メソポタミア神話の巨大な神鳥。しばしば獅子頭の鷲として描かれ、神々の力に関わる重要な怪鳥です。 - カラドリウス|Caladrius
中世ヨーロッパの伝承に登場する白い鳥。病人の運命を見分け、癒やしや回復の象徴として語られました。 - チャムローシュ|Chamrosh
ペルシア神話の霊鳥的存在。犬の体に鳥の頭と翼を持つ複合的な姿で語られ、英雄伝承にも関わります。 - シナモン・バード|Cinnamon bird
古代ギリシアの記述に現れる伝説の鳥。香木シナモンで巣を作ると考えられました。 - デビルバード|Devil Bird
スリランカの民間伝承に登場する不吉な叫び声の鳥。死の前触れを告げる存在として恐れられます。 - ガガナ|Gagana
ロシア系の伝承に現れる奇跡の鳥。鉄のくちばしと銅の爪を持つと語られることがあります。 - ガンダベルンダ|Gandabherunda
インド神話・伝承に見られる双頭の神鳥。圧倒的な力を象徴する鳥として扱われます。 - ガルダ|Garuda
ヒンドゥー教の神鳥で、ヴィシュヌ神の乗り物として特に有名です。鳥の祖ともされる重要な神格です。 - ハカワイ|Hakawai
マオリ伝承に登場する、声は聞こえるが姿は見えにくい不思議な鳥です。 - フドフド|Hudhud
イスラム伝承で預言者に仕える鳥として知られます。知恵や伝令の役割を担う存在です。 - 精衛|Jingwei
中国神話の鳥。海を埋めようとして小枝や石を運び続ける、不屈の意志の象徴です。 - 鸞|Luan
中国神話の霊鳥。鳳凰に近い吉祥の鳥とされ、蛇を踏みつけたり盾を帯びたりする描写が伝わります。 - ミノカワ|Minokawa
フィリピン神話に登場する巨大な鳥。月を飲み込もうとする怪鳥として語られます。 - 九頭鳥|Nine-headed bird
中国神話の九つの頭を持つ鳥。古い楚の信仰に結びつき、鳳凰の古形の一つともみなされます。 - パモラ|Pamola
アベナキ族の伝承に登場する鳥とヘラジカの性質を持つ精霊。寒さや嵐に関わる存在です。 - 鵬|Peng
中国思想・神話に登場する超巨大な鳥。巨大魚が変じた存在で、大海を越えて飛ぶ壮大な象徴として知られます。 - ピアサ|Piasa
北米先住民伝承と結びつけられる怪鳥。イリノイ州の岩絵でも知られる存在です。 - 青鳥|Qingniao
中国神話の青や緑の霊鳥。西王母に仕える使者の鳥として名高い存在です。 - レインバード|Rain Bird
北米先住民の伝承に見られる、雨をもたらす鳥の総称的存在です。 - ラローク|Raróg
スラヴ伝承の火の鷹・火の精霊。炎や熱気を思わせる鳥の姿で語られます。 - ルフ/ロック鳥|Roc
アラビア圏を中心に伝わる巨大な猛禽。象をつかみ上げるほどの大きさで語られる有名な伝説の鳥です。 - 商羊|Shangyang
中国神話の雨鳥。一本脚で舞い、豪雨の前兆を知らせるとされます。 - シームルグ|Simurgh
ペルシア神話の巨大な霊鳥。長寿・知恵・慈悲を備えた高貴な存在として知られます。 - ステュムパーロスの鳥|Stymphalian birds
ギリシア神話の人食いの怪鳥群。ヘラクレスの難業の一つに登場します。 - サンダーバード|Thunderbird
北米先住民の伝承に広く見られる霊鳥。羽ばたきで雷鳴や嵐を起こす強大な存在です。 - トゥルル|Turul
ハンガリー伝承の神鳥。王家や建国伝説とも結びつく鳥の姿の守護的存在です。 - ヴェズルフェルニル|Veðrfölnir
北欧神話で世界樹ユグドラシルの頂にいる鷹。樹上の大鷲の上にとまる存在として語られます。 - ヴクブ・カキシュ|Vucub Caquix
マヤ神話の高慢な鳥の魔物。偽りの太陽や月を名乗った存在として知られます。 - ワンプム・バード|Wampum Bird
北米先住民伝承に見られる巨大なサギ状の怪鳥。羽の代わりに貝殻の鎧を持つとされます。 - 鴆鳥|Zhenniao
中国伝承の猛毒を持つ鳥。羽や酒に毒性が宿るとされ、強い毒の象徴として有名です。
フェニックス系・再生の神鳥
- フェニックス|Phoenix
ギリシア系伝承で知られる不死鳥。死と再生を繰り返す象徴的な神鳥です。 - ベンヌ|Bennu
古代エジプトの再生・創造に関わる神鳥。フェニックスの原型の一つとされることがあります。 - ホル/コル|Chol
聖書系伝承で不死鳥的に解釈される再生の鳥です。 - 火の鳥|Firebird
スラヴ伝承の光り輝く神鳥。羽や目が光り、幸運と災いの両面をもたらす存在です。 - 鳳凰|Fenghuang
中国神話の瑞鳥。高貴さ・徳・調和を象徴し、百鳥の長とされます。 - フマー鳥|Huma bird
ペルシア伝承の神鳥。地上に降りず、はるか高空を飛び続ける吉兆の鳥として語られます。 - コンルル/トグリル|Konrul / Toghrul
テュルク系伝承に見られる神鳥。広い空と王権のイメージを伴うことがあります。 - パスクンジ|Paskunji
コーカサス・ジョージア系伝承の不死鳥に近い鳥。冥界への道の蛇を退け、英雄を助ける存在とされます。
鳥人・鳥頭の神格
- アルコノスト|Alkonost
スラヴ伝承の鳥の体を持つ女性的存在。美しい歌声を持つ神秘的な鳥人です。 - ガマユン|Gamayun
スラヴ伝承の預言の鳥。女性の頭を持つ姿で描かれることがあります。 - 共命鳥|Gumyōchō
仏教説話に現れる二つの頭を持つ鳥。場合によっては人の顔を備える姿でも描かれます。 - ハルピュイア|Harpy
ギリシア神話の鳥女。人面鳥身の姿で、強奪や災厄と結びつく存在です。 - ホルス|Horus
古代エジプトの天空神。鷹の頭を持つ神として表されることが多く、鳥頭神格の代表例です。 - 人面鳥|Inmyeonjo
韓国の伝承・図像に見られる、人の顔を持つ鳥の姿の神秘的存在です。 - 以津真天|Itsumade
日本の妖怪。人の顔にもたとえられる不気味な鳥の怪異として知られます。 - 迦陵頻伽|Kalavinka
仏教世界の霊鳥。人の頭と鳥の体を持ち、美しい声で法を説く存在とされます。 - 迦楼羅|Karura
日本仏教に取り入れられた鳥頭・人身の神霊的存在。ガルダに由来します。 - 緊那羅|Kinnara
インド・仏教圏の半人半鳥の天上の楽人。音楽や愛の象徴として描かれます。 - ラマッス|Lamassu
メソポタミアの守護存在。人頭・獣身・有翼という複合的な姿で表されるため、鳥人系の周辺項目として扱えます。 - 天狗|Tengu
日本の伝承に現れる、人と鳥の特徴をあわせ持つ存在。修験道や山岳信仰とも深く結びつきます。
神話の鶏・雄鶏
- アレクトリュオン|Alectryon
ギリシア神話の雄鶏。太陽神ヘーリオスの到来を告げる役割と結びついています。 - 波山|Basan
日本の妖怪。火を吐く鶏として語られることがある怪異です。 - コカトリス|Cockatrice
鶏の頭を持つ竜・蛇状の怪物。中世ヨーロッパで広く知られました。 - グリンカンビ|Gullinkambi
北欧神話でヴァルハラにいる金色の鶏。終末の到来を告げる存在です。 - バルセロスの雄鶏|Rooster of Barcelos
ポルトガルの有名な伝説に登場する雄鶏。奇跡と無実の証明を象徴します。 - サリマノク|Sarimanok
フィリピン・マラナオの伝承に登場する華麗な鳥。鶏に近い姿で表されることも多い吉祥の鳥です。 - ヴィゾープニル|Víðópnir
北欧伝承の雄鶏。世界樹に関わる鳥として語られます。

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