日本の冬を象徴する美しい瞬間、それが雪が静かに降り積もる情景です。日本の文化では、雪を詠む多くの美しい言葉が存在し、季節の移ろいや自然の美しさを表現しています。ここでは、雪を表す繊細で美しい和の言葉を79種類集め、それぞれの読み方と意味を紹介します。六花、雪華、暮雪など、雪にまつわる異称・美称を通じて、日本の冬の風情を感じていただければ幸いです。
『雪』を表す美しい言葉
- 不香の花【ふきょうのはな】
香りを持たない花。雪が静かに降り積もる様子を、香りがなくても美しい花に喩えた言葉です。 - 六つの花【むつのはな】
六つの花弁を持つ花。雪の結晶が六角形であることから名づけられました。 - 六出【りくしゅつ】
六角形の雪の結晶を模した、六つの花弁を持つ花。古来からの表現で、雪の美しさを伝えています。 - 六花【りっか、ろっか】
雪の結晶の六角形を象った、六つの花弁を有する花。六花の美しさは、冬の冷たい空気に浮かぶ一瞬の芸術です。 - 六辺香【ろくへんこう】
六つの花弁をもつ花。雪の結晶が持つ六角形の美しさを表現しています。 - 冬の花【ふゆのはな】
冬に咲く、または冬を連想させる花。雪の美しさを花に喩えた言葉です。 - 天花【てんか】
天から舞い降りるような美しい花。雪が舞い降りる様子を花に喩えています。 - 寒花【かんか】
雪や氷を美しい冬の象徴として詠む。寒さの中での美しさを花に例えています。 - 牡丹雪【ぼたんゆき】
その大きさが牡丹の花を思わせるような雪。ゆっくりと舞い降りる牡丹雪は、静かな冬の夜に幻想的な風景を作り出します。 - 玉屑【ぎょくせつ】
空から降る雪の一形態。宝石のように美しい雪を指す言葉です。 - 瑞花【ずいか】
縁起の良い、めでたい花、またはそうして雪を称える言葉。瑞花の雪は、新年の祝福を象徴するような存在です。 - 白魔【はくま】
大雪を悪魔に例えて、その災害性を表す言葉。雪の猛威を表現しています。 - 花弁雪【はなびらゆき】
花びらのように大きく美しい雪。美しい雪の姿を花に喩えた言葉です。 - 銀花【ぎんか】
雪の美しさを讃える称呼。銀色に輝く雪の美しさを花に例えています。 - 雨雪【うせつ】
雪が降る様子、または雨と雪の混合。雨と混じった雪の形を指します。 - 雪の花【ゆきのはな】/雪の華【ゆきのはな】
雪を美しい花に喩えた言葉。雪の降る様子が花びらのように見えることから。 - 雪華【せつか】/雪花【せつか】
雪の結晶や降る雪の美しさを花に例えていう。雪の結晶の美しさを表現しています。 - 青女【せいじょ】
霜や雪をもたらすとされる女神。日本の神話に登場する青女は、冬の厳しさと美しさを同時に体現しています。 - 風花【かざはな、かざばな】
晴れた日に風に乗って舞う雪のこと。風花の舞う日は、晴れ間から光が差し込み、雪が輝いて見えます。 - かた雪【かたゆき】
積もって固まり、密度の高い雪。固く締まった雪を指します。 - ざらめ雪【ざらめゆき】
一度融けて再び凍った、ざらざらした雪。砂糖のざらめのような質感の雪を指します。 - しまり雪【しまりゆき】
細かい粒で固まりが良い雪。締まった雪の状態を表します。 - べた雪【べたゆき】
水分を多く含み、べたつく感じの雪。湿った重たい雪を指します。 - べと雪【べとゆき】
湿った粉雪とは対照的な、粘り気のある雪。湿度の高い雪を表します。 - 万年雪【まんねんゆき】
年中無休で消えない雪、特に山頂に見られる。永遠に溶けない雪のことです。 - 今朝の雪【けさのゆき】
立冬の日に降る雪。立冬の日の朝に降る雪を指します。 - 六花【むつのはな】
結晶が六角形をしているためにつけられた、雪の呼び名。六花と同じく、雪の結晶の形を表しています。 - 冠雪【かむりゆき】
物の上に大きく積もり、形が松茸のようになった雪。山や建物の上に積もる雪を指します。 - 別れ雪【わかれゆき】/忘れ雪【わすれゆき】
冬の終わりに降る、春の訪れを告げる雪。季節の変わり目に降る雪を指します。 - 名残雪【なごりゆき】/名残の雪【なごりのゆき】
春が近づいてもなお残る雪、または春先に降る雪。冬の名残を感じさせる雪です。
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