日本の自然は、四季の移ろいとともに多様な美しい植物を私たちに見せてくれます。古くから日本の人々に愛されてきたこれらの植物は、それぞれに独特の漢字で表され、その響きや意味に深い文化的な背景があります。本記事では、和の風情を感じさせる美しい植物の名前をいろいろご紹介します。それぞれの植物名には、その読み方や特徴、歴史的背景も解説しています。日本の自然と文化の豊かさを感じ取りながら、古風な響きを持つこれらの名前を楽しんでください。
古風な響きの植物の名前 一覧
植物名には、その読み方と簡単な説明を添えています。
各植物の名前は、日本の風土や人々の心に深く根付いているものです。これらの植物名を知ることで、四季折々の美しさや、植物とともに過ごす日本の文化に触れることができるでしょう。美しい日本の植物の名前を通じて、心を和ませるひとときをお楽しみください。
一人静【ひとりしずか】
ヒトリシズカ(学名:Chloranthus japonicus)は、キンミズヒキ科に属する多年草。春に小さな白い花を咲かせる。名前の由来は、静かな雰囲気を持つ花姿から。
万年青【おもと】
オモト(学名:Rohdea japonica)は、オモト科に属する常緑多年草。古くから縁起物として栽培され、長寿の象徴とされる。
二人静【ふたりしずか】
フタリシズカ(学名:Chloranthus serratus)は、ヒトリシズカと同属の多年草。春に白い花を咲かせる。名前は、二つの花穂が寄り添うように咲く姿から。
仙人掌【さぼてん】
サボテン(学名:Cactaceae)は、サボテン科に属する植物の総称。乾燥地帯に生育し、肉質の茎に水分を蓄える特徴がある。
伶人草【れいじんそう】
レイジンソウ(学名:Pinguicula ramosa)は、タヌキモ科に属する多年草。岩場や湿地に生育し、食虫植物として知られる。名前は、花の形が伶人(楽士)の衣装に似ていることから。
勿忘草【わすれなぐさ】
ワスレナグサ(学名:Myosotis)は、ムラサキ科に属する多年草または一年草。春から夏にかけて青い花を咲かせる。名前は、忘れないでという意味を込めている。
卯木【うつぎ】
ウツギ(学名:Deutzia)は、アジサイ科に属する落葉低木。春から初夏にかけて白い花を咲かせる。名前は、旧暦の卯月(4月)に咲くことに由来。
合歓木【ねむのき】
ネムノキ(学名:Albizia julibrissin)は、マメ科に属する落葉高木。夏にピンク色の花を咲かせ、夜になると葉が閉じる特徴がある。
吾亦紅【われもこう】
ワレモコウ(学名:Sanguisorba officinalis)は、バラ科に属する多年草。夏から秋にかけて暗赤色の花を咲かせる。名前は、和風の庭園に似合う落ち着いた花色から。
唐花草【からはなそう】
カラハナソウ(学名:Humulus japonicus)は、クワ科に属する一年草。日本では薬草や染料として利用されることが多い。名前は、唐(中国)から伝わった花という意味。
夕化粧【ゆうげしょう】
ユウゲショウ(学名:Oenothera biennis)は、アカバナ科に属する多年草。夕方に花を咲かせることが多く、名前はその習性に由来。
夕顔【ゆうがお】
ユウガオ(学名:Calystegia japonica)は、ヒルガオ科に属する多年草。夕方に白い花を咲かせる。名前は、夕方に咲くことから。
女郎花【おみなえし】
オミナエシ(学名:Patrinia scabiosifolia)は、オミナエシ科に属する多年草。夏から秋にかけて黄色い花を咲かせる。名前は、女性の美しさを象徴する花として名付けられた。
姥百合【うばゆり】
ウバユリ(学名:Cardiocrinum cordatum)は、ユリ科に属する多年草。夏に白い花を咲かせる。名前は、花が咲くと葉が枯れる姿が老女に見立てられたことから。
射干【しゃが】
シャガ(学名:Iris japonica)は、アヤメ科に属する多年草。春に紫色の斑点が入った白い花を咲かせる。名前は、弓矢の干(つる)に似た形状から。
山吹【やまぶき】
ヤマブキ(学名:Kerria japonica)は、バラ科に属する落葉低木。春に黄色い花を咲かせる。名前は、山野に自生する黄色い花から。
山櫨子【さんざし】
サンザシ(学名:Crataegus)は、バラ科に属する落葉低木または小高木。春に白い花を咲かせ、秋に赤い果実をつける。
山茱萸【さんしゅゆ】
サンシュユ(学名:Cornus officinalis)は、ミズキ科に属する落葉低木。春に黄色い花を咲かせ、秋に赤い果実をつける。薬用植物としても知られる。
山荷葉【さんかよう】
サンカヨウ(学名:Diphylleia grayi)は、メギ科に属する多年草。春に白い花を咲かせ、花びらが濡れると透明になる特徴がある。
弟切草【おとぎりそう】
オトギリソウ(学名:Hypericum erectum)は、オトギリソウ科に属する多年草。夏に黄色い花を咲かせ、薬草としても利用される。名前は、弟を切る(罪を犯す)という伝説に由来。
捩摺【もじずり】
モジズリ(学名:Spiranthes sinensis)は、ラン科に属する多年草。夏に螺旋状に花が咲くことが特徴。名前は、古くからの和歌に詠まれた「捩摺り草」に由来。
撫子【なでしこ】
ナデシコ(学名:Dianthus)は、ナデシコ科に属する多年草。夏から秋にかけてピンクや赤の花を咲かせる。名前は、愛らしい花姿が撫でられる子供のように可愛らしいことから。
施覆花【おぐるま】
オグルマ(学名:Inula britannica)は、キク科に属する多年草。夏に黄色い花を咲かせる。名前は、古くから薬草として利用されたことから。
木莓【きいちご】
キイチゴ(学名:Rubus)は、バラ科に属する多年草。夏に赤い果実をつける。果実は食用としても利用される。
木賊【とくさ】
トクサ(学名:Equisetum hyemale)は、トクサ科に属する多年草。茎が直立し、古くから研磨材として利用される。
木通【あけび】
アケビ(学名:Akebia quinata)は、アケビ科に属する蔓性植物。春に紫色の花を咲かせ、秋に甘い果実をつける。
柊【ひいらぎ】
ヒイラギ(学名:Osmanthus heterophyllus)は、モクセイ科に属する常緑低木。冬に白い花を咲かせ、葉には鋭い棘がある。
桐【きり】
キリ(学名:Paulownia tomentosa)は、ゴマノハグサ科に属する落葉高木。春に紫色の花を咲かせ、木材は家具や楽器に利用される。
桔梗【ききょう】
キキョウ(学名:Platycodon grandiflorus)は、キキョウ科に属する多年草。夏に青紫色の花を咲かせ、根は薬用としても利用される。
桜草【さくらそう】
サクラソウ(学名:Primula sieboldii)は、サクラソウ科に属する多年草。春にピンク色の花を咲かせる。名前は、桜の花に似ていることから。
梔子【くちなし】
クチナシ(学名:Gardenia jasminoides)は、アカネ科に属する常緑低木。夏に白い花を咲かせ、果実は染料や薬用に利用される。
棗【なつめ】
ナツメ(学名:Ziziphus jujuba)は、クロウメモドキ科に属する落葉小高木。春に黄色い花を咲かせ、秋に赤い果実をつける。
椿【つばき】
ツバキ(学名:Camellia japonica)は、ツバキ科に属する常緑低木。冬から春にかけて赤やピンクの花を咲かせる。花は美しく、庭園や茶花として愛される。
楓【かえで】
カエデ(学名:Acer)は、ムクロジ科に属する落葉高木。秋に紅葉することで知られ、美しい葉が特徴。
楸【ひさぎ】
ヒサギ(学名:Carya)は、クルミ科に属する落葉高木。木材は硬く、工具や家具に利用される。
榛【はしばみ】
ハシバミ(学名:Corylus heterophylla)は、カバノキ科に属する落葉低木。春に小さな花を咲かせ、秋に食用可能なナッツをつける。
槿【むくげ】
ムクゲ(学名:Hibiscus syriacus)は、アオイ科に属する落葉低木。夏から秋にかけて様々な色の花を咲かせる。韓国の国花としても知られる。
橘【たちばな】
タチバナ(学名:Citrus tachibana)は、ミカン科に属する常緑小高木。春に白い花を咲かせ、秋に小さな柑橘類の果実をつける。
橙【だいだい】
ダイダイ(学名:Citrus aurantium)は、ミカン科に属する常緑小高木。春に白い花を咲かせ、冬に橙色の果実をつける。古くから縁起物として利用される。
檜扇【ひおうぎ】
ヒオウギ(学名:Iris domestica)は、アヤメ科に属する多年草。夏にオレンジ色の花を咲かせ、扇状の葉が特徴。
母子草【ははこぐさ】
ハハコグサ(学名:Gnaphalium affine)は、キク科に属する多年草。春に黄色い花を咲かせ、名前は母と子のように寄り添う姿から。
水芭蕉【みずばしょう】
ミズバショウ(学名:Lysichiton camtschatcensis)は、サトイモ科に属する多年草。春に白い花を咲かせ、湿地に生育する。
水蜻蛉【みずとんぼ】
ミズトンボ(学名:Houttuynia cordata)は、ドクダミ科に属する多年草。湿地に生育し、名前は葉が蜻蛉のような形をしていることから。
沈丁花【ちんちょうげ】
チンチョウゲ(学名:Daphne odora)は、ジンチョウゲ科に属する常緑低木。春に甘い香りのする花を咲かせる。
海老根【えびね】
エビネ(学名:Calanthe discolor)は、ラン科に属する多年草。春に美しい花を咲かせ、名前は根の形が海老に似ていることから。
深山鶉【みやまうずら】
ミヤマウズラ(学名:Goodyera schlectendaliana)は、ラン科に属する多年草。山地に生育し、秋に白い花を咲かせる。葉の模様が鶉(ウズラ)の羽に似ていることから。
満天星【まんてんせい】
マンテンセイ(学名:Enkianthus perulatus)は、ツツジ科に属する落葉低木。春に白い花を咲かせ、秋には紅葉する。
滑莧【すべりひゆ】
スベリヒユ(学名:Portulaca oleracea)は、スベリヒユ科に属する一年草。夏に黄色い花を咲かせ、葉や茎は食用や薬用として利用される。
漉油【こしあぶら】
コシアブラ(学名:Eleutherococcus sciadophylloides)は、ウコギ科に属する落葉高木。春に新芽を食用とし、天ぷらなどで親しまれる。
燕子花・杜若【かきつばた】
カキツバタ(学名:Iris laevigata)は、アヤメ科に属する多年草。初夏に紫色の花を咲かせ、湿地に生育する。
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