鳥の漢字表記と異称一覧 – 日本の自然が育んだ美しい言葉
日本の豊かな自然と文化は、さまざまな鳥たちに美しい名前を与えてきました。その名前の中には、詩的でありながら深い意味を持つものも多く、日本独自の美意識を感じさせます。こでは、和の言葉で表される鳥の漢字表記や鳥の名の異称を一覧にして紹介します。古来より伝わる鳥たちの名前を通じて、和風な美しい言葉の世界へと誘います。創作などのネーミングにもごぜひご活用ください。
鳥の漢字表記:和名と異称一覧
参考・出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ・ goo 辞書
- 丹頂 【タンチョウ】
日本の代表的な大型の鳥類で、特別天然記念物に指定されている。 - 五十雀 【ゴジュウカラ】
森林に生息し、木の幹を下降しながら回る習性がある。 - 京女鷸 【キョウジョシギ】
まだら模様が特徴。 - 夜鷹・蚊母鳥【ヨタカ】
夜行性で、昼間は木のこぶのように擬態して休む鳥。 - 大寿林 【オオジュリン】
河川や湖沼の周辺に生息し、群れを作って生活する。 - 大鷲・羗鷲 【オオワシ】
タカ目タカ科の大型鳥類。 - 山翡翠・山魚狗 【ヤマセミ】
山地の渓流に生息する、カワセミ科の鳥。 - 山雀 【ヤマガラ】
シジュウカラ科に属し、森林に生息する鳥。 - 山鳥・山雉・鵫・鶡・鸐雉 【ヤマドリ】
日本の固有種で、見るのが少し難しい鳥。 - 数珠掛鳩【じゅずかけばと/ずずかけばと】
ハト目ハト科の鳥。古くから世界的に広く飼われていた家禽 (かきん) 。白子鳩【しらこばと】
の異称。 - 木走 【キバシリ】
木の幹を縦に登る習性を持つ、スズメ目キバシリ科の鳥。 - 朱鷺・鴇・桃花鳥・紅鶴・鴾 【トキ】
トキ科の鳥で、日本では絶滅危惧種。 - 沙鶏 【サケイ】
サケイ科の鳥。 - 沢鵟 【チュウヒ】
低空飛行を得意とするタカ科の鳥類。 - 渡鴉【ワタリガラス】
カラス科に分類され、国を越えて移動する鳥。青鷸 【アオシギ】
冬に少数が訪れる、チドリ目シギ科の鳥。 - 火食鳥・食火鶏 【ヒクイドリ】
世界で最も危険な鳥とも言われ、飛べないが速く走れる。 - 烏鳩 【カラスバト】
ハト目ハト科に分類される、都市部にも生息する鳥。 - 玄鳥【げんちょう】
燕【つばめ】
の異称。 - 琴弾鳥【ことひきどり】
鷽【うそ】
の異称。 - 百合鴎 【ユリカモメ 】
チドリ目カモメ科に分類される鳥。 - 目白・繍眼児 【メジロ】
目の周囲に特徴的な羽毛がある、スズメ目メジロ科の鳥。 - 碧鳥 【ヘキチョウ】
カエデチョウ科に属する、ジュウシマツに似た体形の鳥。 - 緋連雀・十二紅 【ヒレンジャク】
北東アジアに生息し、日本では冬鳥として見られる。 - 緑葉木兎・青葉木菟・緑葉梟 【アオバズク】
春になると日本に来て、よく民家近くで鳴く、フクロウ目フクロウ科の鳥。緑鳩 【アオバト】
緑色の体と特徴的な鳴き声が名前の由来、ハト目ハト科。 - 緑鳩 【アオバト】
緑色の体と特徴的な鳴き声が名前の由来、ハト目ハト科。 - 花魁鳥【おいらんどり】
エトピリカの異称。チドリ目ウミスズメ科ツノメドリ属に分類される鳥類。 - 蓮鶴【レンカク】
池の上に浮かぶ植物の葉の上を歩くことができる鳥。 - 蜂熊・八角鷹・蜂角鷹 【ハチクマ】
ハチを主食とする性質から名づけられた猛禽類。 - 赤啄木鳥 【アカゲラ】
黒、白、赤の体色を持つ、キツツキ目キツツキ科の鳥。 - 金糸雀・金絲雀 【カナリア】
カナリア諸島由来の名を持つ、アトリ科の小鳥。 - 阿比 【アビ】
アビ目アビ科の鳥類。 - 隼・鶻・鸇 【ハヤブサ】
鷹狩に用いられることもある、ハヤブサ科の鳥。 - 雀鷹・雀鷂 【ツミ】
小型の猛禽類で、タカ目タカ科に属する。 - 雨燕 【アマツバメ】
高山帯や海岸の断崖に生息し、渡り中に市街地でも見られる。 - 雪加・雪下 【セッカ】
セッカ科に分類される、尾を扇状に広げることができる鳥。 - 雲雀・鸙・告天子 【ヒバリ】
春の象徴とされる、スズメ目ヒバリ科の鳥。 - 雷鳥【ライチョウ】
日本の高地に分散して生息し、絶滅危惧種。 - 青鷸 【アオシギ】
冬に少数が訪れる、チドリ目シギ科の鳥。 - 鴛鴦 【オシドリ】
日本で繁殖し、冬になると南下して越冬する鳥。 - 鵑 【ホトトギス】
特徴的な鳴き声と托卵する習性で知られるカッコウ科の鳥。 - 鵟 【ノスリ】
タカ科に属し、高空を飛翔する鳥。 - 鵠【くぐい】
白鳥の異称。 - 鵯【ひよどり】
スズメ目ヒヨドリ科。くちばしは黒くて先がとがる。頭頂部の羽毛は周囲よりやや長く、冠羽となっている。翼や尾羽は灰褐色をしている。 - 鶇 【ツグミ】
冬季に日本に飛来し、鳴き声が特徴的な鳥。 - 鶚・雎鳩・鵃・魚鷹 【ミサゴ】
魚を好む習性があり、ミサゴ科の鳥。 - 鶲・火焼 【ヒタキ】
ヒタキ科の鳥の総称。 - 鷽【うそ】
和名の由来は口笛を意味する古語「うそ」から来ており、ヒーホーと口笛のような鳴き声を発することから名付けられた。 - 鸛【こうのとり】
コウノトリ科の鳥。 - 鸛鶴【こうづる】
鸛【こうのとり】
の異称。 - 黒雁 【コクガン 】
渡り鳥であり、国を越えて移動する。 - 黒鶴 【クロヅル】
ツル目ツル科の鳥で、「グルス」とはラテン語でツルを意味する。 - 黒鷺 【クロサギ】
サギ科に属し、日本ではやや局地的に繁殖する。 - 白頭鳥【ひよどり】
スズメ目ヒヨドリ科。くちばしは黒くて先がとがる。頭頂部の羽毛は周囲よりやや長く、冠羽となっている。翼や尾羽は灰褐色をしている。
鶯【うぐいす】の異名一覧
「ホーホケキョ」と大きな声でさえずる。日本三鳴鳥の1つ。
- 人来鳥【ひとくどり】
- 匂鳥【においどり】
- 春の使【はるのつかい】
- 春告鳥【はるつげどり】
- 春知らせ鳥【はるしらせどり】
- 春鳥【はるとり】
- 歌詠鳥【うたよみどり】
- 法吉鳥【ほうきどり】
- 法吉鳥【ほほきどり】
- 禁め鳥【とどめどり】
- 経読鳥【きょうよみどり】
- 耳目鳥【みみめどり】
- 花見鳥【はなみどり】
- 金衣鳥【きんいちょう】
- 香鳥【においどり】
- 黄粉鳥【きなこどり】
- 百千鳥【ももちどり】
かいつぶり
和名は、水を掻いて潜る(掻きつ潜りつ)が転じたもの。
- 鳰【にお】
- 鳰鳥【におどり】
- 息長鳥【しながどり】
- 八丁潜り【はっちょうむぐり】
- 鸊鷉【へきてい】
- 鸊鵜【へきてい】
懸巣【カケス】
鳥綱スズメ目カラス科カケス属に分類される鳥。
- 樫鳥【かしどり】
- 宿貸鳥【やどかしどり】
鵲【かささぎ】
カラス科の鳥。腹および肩羽は白色で、ほかは金属光沢を帯びた黒色。
- 唐烏【とうがらす】
- 肥前烏【ひぜんがらす】
- 烏鵲【うじゃく】
- 筑後烏【ちくごがらす】
- 朝鮮烏【ちょうせんがらす】
- 高麗烏【こうらいがらす】
- 勝鴉・勝烏【かちがらす】
- 喜鵲【きじゃく】
郭公【かっこう】
約150種が属する、カッコウ目カッコウ科の鳥。呼子鳥、閑古鳥などとも呼ばれる。
- 閑古鳥【かんこどり】
- 種蒔き鳥【たねまきどり】
- 合法鳥【がっぽうどり】
- 喚子鳥【よぶこどり】
- 呼子鳥【よぶこどり】
- 布穀鳥【ふふどり】
鴉/烏【からす】
鳥類の中では頭が非常に良く、黒い鳥として代表的な存在。
- 雅【からす】
- 慈鳥【じちょう】
- ひもす鳥【ひもすどり】
- 明烏・明鴉【あけがらす】
- 嘘鳥【うそどり】
- 屋烏【おくう】
屋根にとまっている烏 (からす) 。 - 寒鴉【かんがらす・かんあ】
冬の烏 (からす) 。 - 大嘘鳥【おおうそどり】
鴉(からす)の蔑称。 - 大軽率鳥【おおおそどり】
鴉(からす)の蔑称。
翡翠【かわせみ】
水辺に生息する鮮やかな水色の小鳥。
- 翡翠【しょうびん】
- 川蟬 【カワセミ】
- 魚狗【ぎょく】
赤翡翠【あかしょうびん】
水辺に生息する小鳥。
- 水恋鳥【みずこいどり】
- 雨乞鳥【あまごいどり】
曇天や雨の降りそうな日によく鳴くことから。 - 南蛮鳥【ナンバンドリ】
雁【がん】
カモ目カモ科ガン亜科の水鳥のうち、カモより大きくハクチョウより小さい一群の総称。
- 雁【かり】
- 稲負鳥【いなおおせどり】
- 二季鳥【にきどり・ふたきどり】
- つつなわせ鳥【つつなわせどり】
雉【きじ】
日本の国鳥であり、多くの自治体で「市町村の鳥」に指定されている。
- 雉子【きぎし・きぎす】
- 菅根鳥【すがねどり】
- 鷹の鳥【たかのとり】
- 白御鳥【しろおとり】
水鶏【くいな】
湿原や水田などに生息し、半夜行性の鳥。
- 水雉 【くいな】
- 秧鶏 【くいな】
- 冬水鶏【ふゆくいな】
七面鳥【しちめんちょう】
シチメンチョウ属に分類される鳥類。
- 吐綬鶏【とじゅけい】
- 海雉【うみきじ】
- カクラン鳥【かくらんどり】
鶺鴒【せきれい】
セキレイ科に属する鳥の総称。
- つつなわせ鳥
- 恋知鳥【こいしりどり】
- 嫁教え鳥【よめおしえどり】
- 嫁学び鳥【よめまなびどり】
- 恋教へ鳥【こいおしえどり】
- 石叩き【いしたたき】
- 石敲き【いしたたき】
- 妹背鳥【いもせどり】
- 石嫁ぎ【いしくなぎ】
- 教鳥【おしえどり】
- 河原雀【かわらすずめ】
- 嫁教鳥【とつぎおしえどり】
- 鶺鴒【にわくなぎ】
- 鶺鴒【にわくなぶり】
鶴【つる】
つる科の鳥の総称。大形で、くびとあしが長く、頭が小さい。長寿の霊鳥といわれる。
- 千歳鳥【ちとせどり】
- 仙客【せんかく】
鶴の異称。 - 田鶴【たず】
鶴の異称。 - 仙禽【せんきん】
仙人に連れ添う禽獣、「鶴」を意味する。
鶏【にわとり】
きじ科の鳥。古くから広く飼い慣らされ、種類が多い。翼は弱く、ほとんど飛べない。
- 寝覚鳥【ねざめどり】
- 臼辺鳥【うすべどり】
- 常世の長鳴き鳥【とこよのながなきどり】
天照大神が天の岩戸に籠り、天地が闇になったとき鳴かせた鶏のこと。鶏の古称となった。 - 庭つ鳥【にわつとり】
- 庭鳥【にわとり】
- 時告げ鳥【ときつげどり】
- 鶏【かけ】
- 鶏【くたかけ】
鶏の古名 - 屡鳴き鳥【しばなきどり】
鷂【はいたか】
タカの一種。オスはメスより小形。タカ目タカ科ハイタカ属に分類される猛禽類。「疾き鷹」が語源であり、それが転じて「ハイタカ」となった。
- 灰鷹
- 兄鷂【このり】
ハイタカのオスのこと。 - 鷂【はしたか】
梟【ふくろう】
フクロウ科の鳥。猛禽類。夜行性で「森の物知り博士」、「森の哲学者」などとして知られる。
- 鴟梟【しきょう】
- 母喰鳥【ははくいどり】
梟(ふくろう)の異称。 - 二声鳥【ふたこえどり】
鷦鷯【みそさざい】の異名一覧
みそさざい科の小鳥。全身こげ茶色で、黒茶色の細かい横紋がある。
- 巧鳥【たくみどり】
巣を作るのが巧みなことから。 ミソサザイの古名。キツツキの別名。 - 巧婦【たくみどり】
巣を作るのが巧みなことから。 ミソサザイの古名。キツツキの別名。 - 垣小鳥【かきちんない】
みそさざい(鷦鷯)の異名。
椋鳥【むくどり】の異名一覧
スズメ目ムクドリ科の鳥類の1種。
- 白頭翁【はくとうおう】
- 桜鳥【さくらどり】
時鳥【ほととぎす】の異名一覧
カッコウ目・カッコウ科に分類される鳥類の一種。特徴的な鳴き声とウグイスなどに托卵する習性で知られている。
- 不如帰【ほととぎす】
- 卯月鳥【うづきどり】
- 夕影鳥【ゆうかげどり】
- 妹背鳥【いもせどり】
- 常詞鳥【つねことばどり】
- 文無鳥【あやなしどり】
- 早苗鳥【さなえどり】
- 時つ鳥【ときつどり】
- 杜宇【ほととぎす】
- 杜鵑【ほととぎす】
- 歌い鳥【うたいどり】
- 死出の田長【しでのたおさ】
- 沓手鳥【くつてどり】
- 沓手鳥【ほととぎす】
- 無常鳥【むじょうどり】
- 田長鳥【たおさどり】
- 百声鳥【ももこえどり】
- 綱鳥【つなどり】
- 網鳥【あみどり】
- 菖蒲鳥【あやめどり】
- 郭公【ほととぎす】
- 魂迎え鳥【たまむかえどり】
- 黄昏鳥【たそがれどり】
- 夜直鳥【よただどり】
日本には、多種多様な鳥たちがおり、それぞれに独特の名前がつけられています。これらの名前には、鳥の特性や生態、美しさを表現するだけでなく、日本人の自然への敬愛と言葉へのこだわりが込められています。この一覧を通して、読者の皆様にも和の言葉の美しさと日本の自然に対する深い愛情を感じていただければ幸いです。
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