【古い月名からインスピレーションを得た名前の一覧】
月名をあらわす古い言葉(月名の別名・異称)の中から、名前に使えそうな言葉を選んで一覧ししました。
各月の名称は、古来からさまざまな名で呼ばれてきました。それぞれの月名には、その時代や文化の人々が季節に込めた特別な意味や感情が反映されています。ここでは、そんな月の古い名前や異称からインスピレーションを得た、名前に使えそうな美しい言葉を厳選して一覧にしました。子供の名付け、キャラクター作り、創作活動のネーミングなど、新しい命にふさわしい名前の参考にご活用ください。
和風な名称『月名の雅語・古語』一覧
陰暦の1月の名称・別名・異名・異称
陰暦の1月は、新たな年の始まりを告げ、希望と新鮮な気持ちで満たされる時期です。この月には「睦月(むつき)」という名が最もよく知られていますが、「初春」や「実月」など、様々な別名が存在します。これらの名前は、一年のスタートを象徴し、冬の終わりと春の訪れを感じさせる言葉たちです。
- 諏月【すうげつ】
- 実月【むつき】
- 祝月【いわいづき】
- 萌月【もえつき・もゆつき】
- 元月【げんげつ・もとつつき】
- 初春【しょしゅん】
- 初空月【はつそらづき】
- 初花月【はつはなづき】
- 嘉月【かげつ】
- 太郎月【たろうづき】
- 子日月【ねのひづき】
- 孟春【もうしゅん】
- 方歳【ほうさい】
- 早緑月【さみどりづき】
- 献春【けんしゅん】
- 王春【おうしゅん】
- 睦月【むつき】
- 端月【たんげつ】
- 芳歳【ほうさい】
- 華歳【かさい】
- 陬月【むつき】
- 陽春【ようしゅん】
- 霞初月【かすみそめづき】
- 青陽【せいよう】
- 首歳【しゅさい】
陰暦の2月の名称・別名・異名・異称
陰暦の2月は、寒さがまだ厳しいものの、徐々に春の気配を感じ始める月です。「如月(きさらぎ)」や「衣更着(きさらぎ)」という名称が示す通り、この時期は少しずつ暖かくなり、衣替えを意識し始める季節を表しています。また、「梅見月」という名も、早咲きの梅の花を楽しむ風習から来ています。
- 衣更着月【きさらぎづき】
- 橘如【きつじょ】
- 星鳥【せいちょう】
- 花月【かげつ】
- 梅津月【うめつづき】
- 梅津早月【うめつさつき】
- 大壮月【たいそうづき】
- 殷春【いんしゅん】
- 梅見月【うめみづき】
- 如月【きさらぎ・じょげつ】
- 衣更着【きさらぎ】
- 恵風【けいふう】
- 建卯月【けんうづき・けんぼうげつ】
- 木の芽月【このめづき】
- 仲春【ちゅうしゅん】
- 仲陽【ちゅうよう】
- 初花月【はつはなづき】
- 雪消月【ゆきげしづき・ゆききえつき】
- 令月【れいげつ】
- 麗月【れいげつ】
- 花朝【かちょう】
陰暦の3月の名称・別名・異名・異称
春本番を迎える陰暦の3月は、「弥生(やよい)」や「花見月」と呼ばれ、自然が息吹き、花々が咲き誇る美しい時期を表します。この月の名前は、新しい生命が誕生する喜びと、暖かな春の訪れを祝福する気持ちを反映しています。多くの場所で花見が行われ、人々は外に出て自然の美しさを楽しみます。
- 殿春【でんしゅん】
- 嘉月【かげつ】
- 花飛【かひ】
- 五陽【ごよう】
- 早花月【さはなつき】
- 称月【しょうげつ】
- 花津月【はなつづき】
- 清明【せいめい】
- 華月【かげつ】
- 佳月【かげつ】
- 花咲月【はなさきづき】
- 櫻月【さくらづき】
- 花月【かげつ】
- 季春【きしゅん】
- 禊月【けいげつ】
- 建辰月【けんしんつき・けんしんづき】
- 桜月【さくらづき】
- 早花咲月【さはなさきつき】
- 宿月【しゅくげつ】
- 竹秋【ちくしゅう】
- 桃月【とうげつ】
- 花見月【はなみづき】
- 雛月【ひいなつき】
- 杪春【びょうしゅん】
- 弥生【やよい】
- 夢見月【ゆめみつき・ゆめみづき】
陰暦の4月の名称・別名・異名・異称
陰暦の4月は、「卯月(うづき)」や「清和月(せいわづき)」といった名前で知られ、穏やかで和やかな春の日々が続く月です。この時期には新緑が眩しく、生きとし生けるものが活力を得る季節。各名称は、この時期の温かな気候や自然の美しさを映し出しています。
- 維夏【いか】
- 槐夏【かいか】
- 乾梅【けんばい】
- 始夏【しか】
- 清和月【せいわづき】
- 新夏【しんか】
- 立夏【りっか】
- 純陽【じゅんよう】
- 小満【しょうまん】
- 純乾【じゅんけん】
- 鳥月【ちょうげつ】
- 得鳥羽月【えとりはづき】
- 鳥待月【とりまちづき】
- 陰月【いんげつ】
- 卯月【うづき】
- 卯花月【うのはなづき】
- 夏半【かはん】
- 乾月【けんげつ】
- 初夏【しょか】
- 正陽【せいよう】
- 清和【せいわ】
- 鎮月【ちんげつ】
- 夏初月【なつはづき】
- 夏端月【なつはづき】
- 梅月【ばいげつ】
- 麦秋【ばくしゅう】
陰暦の5月の名称・別名・異名・異称
陰暦の5月、通称「皐月(さつき)」は、新緑が豊かになり、田植えの季節を迎える時期です。「五月雨(さみだれ)」という名もこの月には付けられ、梅雨の始まりを告げます。各名称は、成長と再生の時期、そして農作業の重要な時期であることを示しており、自然と人の営みが密接に結びついていることを教えてくれます。
- 五月【さつき】
- 五月雨月【さみだれづき】
- 五色月【いろいろづき】
- 仲夏【ちゅうか】
- 吹雪月【ふぶきづき】
- 早月【さつき】
- 早苗月【さなえづき】
- 星火【せいか】
- 月不見月【つきみずづき】
- 梅月【ばいげつ】
- 皐月【さつき・こうげつ】
- 菖蒲月【あやめづき】
- 蕤賓【すいひん】
- 雨月【うげつ】
- 鶉月【しゅんげつ】
- 狭雲月【さくもづき】
- 星花【せいか】
- 啓月【けいげつ】
- 開明【かいめい】
- 長至【ちょうし】
- 多草月【たぐさづき】
- 啓明【けいめい】
- 梅天【ばいてん】
- 盛夏【せいか】
- 梅夏【ばいか】
- 授雲月【じゅうんづき】
- 早稲月【さいねづき】
陰暦の6月の名称・別名・異名・異称
陰暦の6月は、梅雨の真っ只中であり、「水無月(みなづき)」と呼ばれることが多いですが、これは現代の感覚とは異なり、古くは「水の無い月」という意味ではなく、水を神に捧げる行事が行われたことに由来します。また、「鳴雷月(なるかみづき)」とも呼ばれ、梅雨時に多い雷を象徴しています。この時期は自然の力を感じさせ、農作業にも影響を与える重要な季節です。
- 鳴雷月【なるかみづき】
- 焦月【しょうげつ】
- 暑月【しょげつ】
- 季月【きげつ】
- 常夏【じょうか】
- 積夏【せきか】
- 小暑【しょうしょ】
- 鶉火【じゅんか】
- 極暑【きょくしょ】
- 長列【ちょうれつ】
- 未月【びげつ】
- 則旦【そくたん】
- 神鳴月【かみなりづき】
- 炎陽【えんよう】
- 水月【すいげつ】
- 田無月【たなしづき】
- 旦月【たんげつ】
- 鳴神月【なるかみづき】
- 晩月【ばんげつ】
- 伏月【ふくげつ】
- 松風月【まつかぜづき】
- 水無月【みなづき】
- 陽氷【ようひょう】
- 晩夏【ばんか】
- 涼暮月【すずくれづき】
- 葵月【あおいづき】
- 風待月【かぜまちづき】
- 林鐘【りんしょう】
- 蝉羽月【せみのはづき】
陰暦の7月の名称・別名・異名・異称
陰暦の7月、一般に「文月(ふみづき)」と称されるこの月は、暑さが本格化し夏が深まる時期です。文月という名前は、この月に行われる七夕の短冊に願いを書く風習から来ています。また、「葉月(はづき)」とも呼ばれることがあり、これは緑の葉が最も茂る時期であることを示しています。夏の盛りには、自然との調和を大切にする日本の文化が色濃く反映されます。
- 七夕月【たなばたづき】
- 七夜月【ななよづき】
- 上秋【じょうしゅう】
- 冷月【れいげつ】
- 女郎花月【おみなえしづき・をみなえしづき】
- 孟秋【もうしゅう】
- 文月【ふみづき・ふづき】
- 新秋【しんしゅう】
- 早秋【そうしゅう】
- 桐月【とうげつ】
- 流火【りゅうか】
- 涼月【りょうげつ】
- 相月【そうげつ】
- 蘭秋【らんしゅう】
- 親月【しんげつ・おやづき】
陰暦の8月の名称・別名・異名・異称
「葉月(はづき)」や「穀雨月(こくうづき)」といった名前で呼ばれる陰暦の8月は、稲穂が実り始める時期にあたり、農業にとって重要な季節です。また、この月にはお盆があり、先祖を偲び、家族が集まる時期でもあります。各名称は、穀物の収穫期を迎える喜びと、家族の絆を大切にする日本の伝統的な価値観を反映しています。
- 其色月【そのいろづき】
- 初来月【はつきづき】
- 南風月【はえづき】
- 壮月【そうげつ】
- 天岡【てんこう】
- 月見月【つきみづき】
- 木染月【こぞめづき】
- 染色月【そめいろづき】
- 桂月【けいげつ】
- 桂秋【けいしゅう】
- 深秋【しんしゅう】
- 清月【せいげつ】
- 清秋【せいしゅう】
- 濃染月【こぞめづき】
- 燕去月【つばめさりづき】
- 白露【はくろ】
- 盛秋【せいしゅう】
- 秋涼【しゅうりょう】
- 秋風月【あきかぜづき】
- 紅染月【こぞめづき・べにそめづき】
- 素月【そげつ】
- 草津月【くさつづき】
- 萩月【はぎづき】
- 葉月【はづき】
- 葉落月【はおちづき】
- 観月【かんげつ】
- 雁来月【かりきづき・かりくづき・がんらいづき】
陰暦の9月の名称・別名・異名・異称
陰暦の9月は、「長月(ながつき)」とも呼ばれ、日が徐々に短くなり始める秋の訪れを告げます。「菊月(きくづき)」という名前もあり、この時期に咲く菊の花を楽しむ風習から来ています。秋の深まりと共に、食欲の秋、読書の秋など、豊かな収穫と文化の楽しみが待っています。各名称は、自然の変化を愛でる日本の文化を色濃く表しています。
- 夜長月【よながつき】
- 季秋【きしゅう】
- 寝覚月【ねざめづき】
- 彩月【いろどりづき】
- 晩秋【くれのあき・ばんしゅう】
- 暮秋【ぼしゅう】
- 朽月【きゅうげつ】
- 杪秋【びょうしゅう】
- 歳晏【さいあん】
- 涼秋【りょうしゅう】
- 無射【ぶえき】
- 玄月【げんげつ】
- 祝月【いわいづき】
- 穂長月【ほながつき】
- 窮秋【きゅうしゅう】
- 紅樹【こうじゅ】
- 紅葉月【もみじづき】
- 終玄【しゅうげん】
- 色取月【いろどりづき】
- 菊咲月【きくさきづき】
- 菊月【きくづき】
- 菊秋【きくあき】
- 菊見月【きくみづき】
- 詠月【えいげつ】
- 長月【ながつき】
- 霜辰【そうしん】
陰暦の10月の名称・別名・異名・異称
「神無月(かんなづき)」と広く知られる陰暦の10月は、全国の神々が出雲大社に集まるという神話に由来します(一部地域を除く)。この他にも、「霜月(しもつき)」という名もあり、秋から冬への移り変わりを感じさせる時期です。自然の中で静かに色づく紅葉を愛でる文化や、収穫を終えた後の穏やかな喜びが、この月の名前に込められています。
- 初霜月【はつしもつき】
- 大月【たいげつ】
- 小春【こはる】
- 小春月【こはるづき】
- 時雨月【しぐれづき】
- 木の葉月【このはづき】
- 神去月【かみさりづき・かみなしづき】
- 神嘗月【かんなめづき】
- 神在月【かみありづき】
- 神存月【かみありづき】
- 神帰月【かみかえりづき】
- 神有月【かみありづき】
- 神無月【かんなづき】
- 陽月【ようげつ】
陰暦の11月の名称・別名・異名・異称
陰暦の11月は、「霜月(しもつき)」とも呼ばれ、初霜が降りることからこの名がつけられました。この月は、自然が一段と静かになり、冬の訪れを感じさせる時期です。「神楽月(かぐらづき)」という別名もあり、神楽を奉納する行事が多く行われることに由来します。日本の古い風習や自然の移り変わりを感じさせる月であり、収穫した作物を保存するための準備が進められます。
- 仲冬【ちゅうとう】
- 子月【ねづき】
- 神楽月【かぐらづき】
- 竜潜月【りゅうせんげつ】
- 葭月【かげつ】
- 辜月【こげつ】
- 陽復【ようふく】
- 雪待月【ゆきまちづき】
- 雪見月【ゆきみづき】
- 霜月【しもつき】
- 霜見月【しもみづき】
- 霜降月【しもふりづき】
- 露隠葉月【つゆごもりのはづき】
陰暦の12月の名称・別名・異名・異称
「師走(しわす)」と広く知られる陰暦の12月は、年の瀬の忙しさを象徴する月です。この名前は、僧侶が忙しく走り回る様子からきているとも言われています。「雪月(ゆきづき)」とも呼ばれ、雪が降り積もる冬の景色を表します。年末に向けて、家族や友人と共に過ごす温かな時間や、新年を迎える準備が行われる時期でもあります。
- 乙子月【おとごづき】
- 暮古月【くれこづき】
- 暮来月【くれこづき】
- 暮歳【ぼさい】
- 氷月【ひょうげつ】
- 涂月【とげつ】
- 蝋月【ろうげつ】
- 限月【かぎりのつき】
- 除月【じょげつ】
- 雪月【ゆきづき】
和風の名前やネーミングに悩んだ時、古き良き日本の雅語や古語からインスピレーションを得ることは、創作活動に深みと独自性をもたらします。この一覧に挙げた各月にちなんだ名前は、物語やキャラクター、さらにはプロジェクトにも、時間の流れと共鳴するような美しさと意味を吹き込みます。それぞれの言葉が持つ歴史的背景や季節感、情緒を理解し、利用することで、創作はさらに豊かなものとなるでしょう。『月名の雅語・古語』を通じて、日本の四季の美しさと、時代を超えた言葉の魅力を再発見してください。
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